図が少なくて困る。マッハチェンダー干渉計の類の図はあるのだが、それでも少なすぎる。ワタクシは図解が好きなのである。
二重スリット実験はヤングの1805年の実験であって光が波である事の有力な証拠となった。以来、光は波であると理解された。1920年頃までは。
アインシュタインの光量子論は1905年に出たが光子として物理学者が認めるようになったのは1920年代初めの頃だ。
そして1925年頃に量子力学が登場、ハイゼンベルグ、シュレディンガー、ディラック、ボルン、ヨルダン、ボーア・・・・・その他の時代の俊英たちが寄ってたかって構築したものが量子力学である。そして、ヤングの干渉実験・・・二重スリット実験の量子力学バージョンが登場し、たいへん悩み多い現象を引き起こして今日に至るのである。
50年ぐらい前、ワタクシがニキビづらで田舎の僻地の低レベルの高校生であった当時、若手の物理の先生が言った。量子力学は計算手法は確立している、だが意味が分からないところがある。
半世紀も前だ。半世紀過ぎたのでスッキリ・ジャッキリと量子力学は意味も爽やかに理解されとるおる・・・という状況ではない。
で、しろしろ考えたり知ったりしたのだが興味がある人は読むがよかろう。図書館にあるかもだ。
ただ、どうもいまいち主張が足りないところがある。この手の入門書では二重スリットの実験を一回やると必ずそうなるかのような感じがする。そうではない。特にアスペの実験などは一回やってそうなるという話ではない。信号とノイズの問題。SNの問題。ノイズだらけの中から意味のある信号を拾い出すにはどうするか。そこらの苦労等についての主張があまりにも弱すぎる。まるで数回の実験でそうなるかのような誤解をド素人に与える。
さてと、実は二重スリットの実験は技術が進んだ今、かなり変種が考えられている。派生とでも言うか。本に載っている単純にスリットが2つあって奥にスクリーンがあってという構造ではない。しかも実はスリットなどない。にもかかわらず、馬鹿の一つ覚えでスリットの図ばかり出す(笑)
ここらもなあ、ま~入門書だからなあ。スリット2つの代わりに2個の原子が用いられる、それに光子を当てる。光子は散乱する・・・・とかの図があるのだが、それだけ見てド素人が分かるかよバカタレリ!! もっと図解しろやあぁぁぁぁぁ!!
ここらで「佐藤文隆先生の量子論」KBB を思い出した。現代の二重スリットをいくつか紹介している。量子消しゴム実験も登場。
干渉縞はデータの取り方によって出たり出なかったりする。なんじゃ それ?
とにかくワタクシとしてはタダでさえ不思議な二重スリットの量子力学バージョンがますます不思議なものになってきたぞう・・・(´・ω・`)
しかし、実験したらそうなるってんだからな。ワタクシの直感など役には立たぬわ。どーや。
つーわけで流し読み。波動関数の解釈に関してはいろいろと出て、コペンハーゲン解釈、多世界解釈、パイロット波、その他のいろいろ・・・・・・まー すきにしたまーーへ(笑)
そして新解釈も参入したのである。QBismだ。量子ベイズ主義とか言う。ベイズ統計から参入だぞの。知らんけど。
この本では有名な物理学者、アインシュタイン、ボーア、ディラック、シュレディンガー、ハイゼンベルク、パウリ・・・・・などの100年ぐらい昔の物理学者だけでなく1980年以降の物理学者もたくさん登場するのである。
ベル、ツァイリンガー・・・・この本の索引で人名を拾うと何十人? 100人超えるか?
そういえば量子力学基礎論という分野があるそうだ。コペンハーゲン解釈は思考停止しているので別の解釈でスッキリさわやかシャキっと量子力学を理解したいという願望があるのだろう。
すっきりと分かったらワタクシにも教えてくだされ(笑)