昭和50年代序盤に輪湖時代という2,3年があった。デブの北の海が怪童、胸板の薄いアホの日大での輪島が、いや、日大でのアホの輪島が天才輪島・黄金の左腕と書かれていた。
怪童の北の海 vs 天才の輪島という構図がスポーツ誌の宣伝としては大成功したのだった。ワタクシはコロッと騙された。
天才を天賦の才と解するならば天才は北の湖である。体躯・運動神経に恵まれ、顔はイケメンのデブであり・・・こらこら。輪島を天才と称するには少し説明が要る。
胸板薄い。体躯は北の湖に劣る。押し相撲に弱い。それでも窮鼠猫を噛む・・・ではないが、輪島は特有の戦法を生み出した。左下手を取り、右から絞る。絞るというのは雑巾を絞るのではなくてな(笑) 右から攻める。相手はカラダが反転しそうだ。右からの絞りで相手が態勢を崩すと輪島は左下手投げを繰り出す。相手はコロコロリンコンだ。
これをスポーツ誌は黄金の左と囃し立て、ワタクシはころりんこんと騙された。強いのは左下手ではない。右からの攻めだったのだ。かつて、北の湖は何かの番組で述懐しておった。「輪島関の強いのは右からの攻めですね、左はさほど強くはない」
天才・北の湖は輪島の戦法を見抜いたのだった。輪島に何度か転がされたものの、横綱昇進後、数年もすると輪島に勝てるようになった。天才・北の湖の開花であった。
では、輪島はどう評価すべきか。左下手を取って右から絞って、相手の態勢を崩して左から下手投げで転がす・・・という戦法を考えたから天才ではない。その戦法で勝ったから天才なのだ。技を編みだし、実践して実績を残した。そして、この輪島の戦法を他の力士が真似て成功した例はない。だから輪島は天才と称される。
王の一本足打法を真似て他に誰が成功しましたか。真似しても実績出ないのだ。落合の神主打法を真似して誰が成功しましたか。フォームを真似しても実績は残せないのだ。
天才・・・それは天賦の才であり、誰にも真似できない何かを持つ。北の湖が体躯に恵まれ、運動神経に恵まれ・・・と書いたが、北の湖よりデカイ体躯の力士は何人もおったで・・運動神経いいのも何人もおったーーーで。体躯に恵まれ、運動神経に恵まれたのは天賦の才ではあるが、実績を残したのは、それだけが要因ではないのである。
北の湖も輪島も、王も落合も、ついでに江川も、他の誰もが真似できない何かを示した。他の誰もが間も出来ない何かを・・・・これこそが真の天才である。。。。うむうむ。
で、言いたいことはそこではない、どっひーーー。輪湖時代に輪島・北の湖の取り組みをテレビで見るとワクワク・ドキドキしたものだ。
その時代が過ぎて、大相撲でワクワク・ドキドキはほとんどなくなった。一時期の貴乃花の相撲に少しそういう要素があった・・・・
なのだが、実はもう一つ ある。あった。ワクワク・ドキドキでは輪湖時代の輪島 vs 北の湖に相当する。
朝青龍 vs 白鵬 の取り組みである。これはYoutubeでたまに見返すが、素晴らしい。輪島・北の湖では体躯の差があり、貴乃花・曙でも体躯の差があり。
だが、朝青龍・白鵬では体躯はほとんど変わらず。技の応酬、運、・・・そういうもの。デブどうしのぶつかり相撲ではない。動きが早くて目がついていかん・・・ってかね。
ただ、ワクワク・ドキドキの質は輪湖時代とはことなる。それとは別のワクワク・ドキドキが朝青龍と白鵬の取り組みにはあった。
朝青龍が首になってから、大相撲でワクワク・ドキドキする事はまったくなくなった。力量がないのだ、今の大相撲の関取連中には。デブがたくさんいるだけだ。
白鵬は朝青龍がいたから成長したと思っている。朝青龍がいなくなってからライバルがいなくなった。弱っちーのばかりだ。なので45回も優勝したのであろう。その回数は素晴らしい。
ワクワク・ドキドキするような相撲を見たい。デブのぶつかり、引き、はたき、そういうものではなく技の応酬、組んで水入りになるぐらいの相撲を取りやがれバカタレども。
次の横綱は180cm台、体重は160kg前後。回しの上を腹の脂肪が隠すような力士は引退してくれと願う。デブではあってもカラダに張りがあってな、そういう力士が増えるの期待しますね。
輪島、北の湖は故人。千代の富士、隆の里、双羽黒も故人。大関経験者では初代・貴乃花、弟子の貴ノ浪、北天佑、高校時代から期待された久島海、とっくに故人。
そういうなかで、元・北の富士は元気なジーサンだぜ。何か長生きの秘訣があるに違いない、うむむむむむむ。
で?