ド・ブロイ波は量子力学の入門書・教科書には必ず出てくるが簡単な説明ばかりだ。アインシュタインが光子の運動量を p = h/λと 出しておりド・ブロイは電子の二重性の検討からこのpとλを入れ替えて電子の波の波長をλ=h/p とした、という感じの簡単な話が多々ある。
だが、そんな簡単なものではないんだよ、知らんけど(笑)
そこでワタクシは「物質と光」ド・ブロイ 岩波文庫 1970年ごろ を手に入れて読んだ。この本はド゛フロイの論文・講演集でありド・ブロイがどのような考察によって電子の波長を導いたか経緯が載っている。
ただ、そこを読んでもλ = h/p という導出過程は理解したものの波束についてはワタクシは理解できず。さらに電子ビームを金属板に当てて反射を調べると縞模様ができる事から電子の波の性質が検証されたのだが、そこでは電子ビームは平面波であるとされる。1個の電子の波が電子ビームという電子の集団が飛ぶような状態でどのようにして平面波を形成するのかワタクシは理解できぬ。
波束は非常に近い振動数の波が無数にあると生ずる。有限の波であると波束が周期的に出てくるのだ。電子は1個なので波束も一つだ。。。。となると振動数は無数になければならない。それの出どころはどこか。ド・ブロイの論文集には波束が群速度で移動する説明はあるが無数の波がどこから湧いてくるのか書いてなかった。
というワタクシの疑問が解消するのが次のサイトである。
https://www.watanabe-lab.jp/blog/archives/8064
ここね、無限個の・・・ってところ。この無限個の出どころは何か、がワタクシの疑問だったので~すだお。次のように説明がある。
>>>
この物質波のモデルに、量子力学の基本原理である「不確定性関係」がすでにあらわれていることは注目に値します。粒子の速度vをきっちり決めたいと思えば、波動の振動数はただ一つになって、空間に一様に広がる波になってしまいます。つまり、粒子が空間のどこに位置するか、決めることができなくなってしまいます。逆に、もし位置を限定したければ、様々な位相速度の波動を重ね合わせなければなりません。波束のピーク位置の移動速度は群速度なので確かにvとなりますが、これはいわばたくさんの波群の統計平均的な速度⟨v⟩であって、位相速度と1対1対応するvは不確定になるのです。
※このページだけご覧になる方が誤解しないよう補足しますと、現在の標準的な物理学でド・ブロイの位相波は実在するものとは考えられておらず、ましてや粒子の正体が位相波の単純な合成だと考えられているわけでもありません。(分散のある波の)波束は時間とともに広がり散り散りになってしまうので、素朴に波が重ね合わさった状態と考えたのでは、常に粒子として1個、2個、・・・とカウントできる形で観測される事実を説明することは困難です。粒子の離散的な特徴を記述するには「場の量子論」が必要です。
>>>
なるほど、不確定性関係によって無限個の波が登場するとしよう。。。だが、定性的な話である。そして、波束は生じても崩れるとも書いておるおる。するってーと、ド・ブロイ波って何の役割があるってーのよおおぉぉぉ と次なる疑問が出てくるワタクシ。
ところでワタクシは既に量子論は妄想してアーソブなのだが、上で場の量子論が必要という事で吉田伸夫を思い出した。一般向けの量子力学の本で吉田伸夫は「量子力学を理解するためには場の量子論の勉強をしなはれ」という趣旨の発言をしている。
よってにワタクシは場の量子論の入門書・一般向けの本を探したが一冊だけみつけたなり。
「場の量子論とは何か」和田純生 講談社BB 読んだけどサパーーリ。数式を使わずに説明するというタレコミであるが、もとい、触れ込みであるがワケワカラン。本の後半は素粒子の話になっていて肝心の場の量子論とは何か、がワケワカラン。
佐藤文隆は一般向けの著書で「場の振動モードを粒子と言いくるめる場の量子論」と書いておったのであ~る。吉田伸夫の本でも電子の場が励起された状態が粒子としての電子であるとか書いてあった。
朝永振一郎「量子力学と私」岩波文庫 の 物理学四半世紀の素描では、パウリ・ハイゼンベルクらは場を量子化すると粒子が現れると主張した、とか。ディラックはボーズ粒子は場の量子化で記述出来ると言ったとか。
要するに場が主役なのだ。しかーし、電子の場とはなんじゃらほいほい。電場・磁場、重力場は馴染があるのだがねえ。そだねえ。
そこでワタクシの妄想が始まるのであ~る。ド・ブロイは電子を波と結びつけるために量子力学の振動のエネルギーが力学的エネルギーと等しいと仮定した。
E = hν = mc2 である。これよりν = mc2 /h となり電子が静止している場合には定数になる。計算すると桁で 1020 [Hz]ぐらいになる。するとこれが場の振動とか場の励起状態なのか。ド・ブロイは場の理論を意識しないまま使っていたのか・・・・というワタクシの妄想ね。
ただ、その振動が電子の位置あたりに局在化する仕組みは知らん。佐藤文隆が言う場の振動モードは局在だ。局在化する仕組みは何かさ~。。。。それはねえ・・・・ 知らん。
量子力学はワタクシが考えると直ぐにドン詰まる。も~も~ドンドン ドドンのドーン。
波動関数は三次元空間に存在するものではなく粒子の状態を記述するための数学的道具であるとか言う。その数学的道具はまるで三次元空間に存在するごとく空間に広がり、壁で遮蔽され、二重スリットの穴を通過し、まるで光のように振る舞うのであ~る。それ三次元空間にないのにどうして物質て遮られたり、穴を通過したりするのん?
ま~波動関数の収縮はシュレディンガー方程式からは出てこないもので、ご都合主義みたいなものだとワタクシは妄想しておるおる。だってそう考えると実験と合うのだものぉ(´・ω・`) 量子力学ってご都合主義だよよん・・・・・こらこら。
というわけで量子力学に関してはワタクシの疑問はまだまだあるので~すがチャッターズに訊いてもロクな回答がないのでGoogle検索10段(自称)の実力発揮で自分で探すだぉ。
上のような親切なサイトを見つけるとワタクシ喜びに耐えませぬ。早大・理工らしいが他大学の先生方もこういう親切な解説サイトを作ってくだされ・・・・先生方でなくても学生でもOK牧場。学生も教科書をなぞって結果だけ知るってスタイルもとっとと卒業してだな・・・・それは院生レベルの話か。
というわけでワタクシは「物質と光」ド・ブロイ 論文・講演集でもう一つ印象深い記憶があるので書くのであ~る。
1932年の記事。ド゛フロイは電子の理論・・・・・電磁気学でも量子力学でも相対論的量子力学でも場の量子論でも、未完だと書いておるおる。そして「場の量子論は失敗だったのだ」と書いておるおる。場の量子論は発散の問題を解決できなかったのだ。
結局、物理学者は場の量子論を信用しないという土壌が当時にできたのであろう。朝永振一郎らが発散を回避する手法・繰り込みを開発して量子電磁気学は花開いたのだが、場の量子論を素粒子論で活用しようとする場合にはチューチュー 躊躇があった。素粒子論の研究者は場の量子論に対する不信感が1970年ごろまであったのだ・・・・と益川敏英は「現代の物質観とアインシュタインの夢」で書いておった。
ワインバーグ・サラムらの弱い相互作用の理論は繰り込み可能かどうか分からなかった。繰り込み可能であれば発散は回避される。1971年にオランダのトフーフトが弱い相互作用は繰り込み可能であると証明して、流れが変わったのであ~る。素粒子の標準模型は1980年頃に完成したと言われる。
以上、ド・ブロイ波から素粒子論まで雑学を書き殴ったワタクシである。こういうのはな、妄想するのが楽しいのだよよん。史実と理論と妄想を混ぜてアーーソブ だって学生じゃござらぬゆえ試験対策もしないでええのであるぞの。
浅学非才!! 不勉強が身に染みる
だって にんげんだもの byニセみつほ なにを!!
posted by toinohni at 08:43| 東京 ☀|
Comment(0)
|
物理科学雑学
|

|