ワタクシは学生の頃に電磁気学を学んだのだが全く考えなかったものがある。電線のエネルギーはどこを伝わるか? である。
最近、物理系のサイトを見ていたら電線のエネルギーはどこを伝わるか の記事があった。ワタクシはまったく考えたことがないのだが、改めて問われると「そりゃちみぃ エネルギーは電線の中を伝わるに決まってらあぁ~」と思うのであった。
だが違う。ポインティング・ベクトルを考えてエネルギーは電線の外部空間を伝わるのである。そういう知識を得てから再度 電磁気学の教科書を調べると書いてあるの見つけた。
高橋秀俊「電磁気学」にはエネルギーは導線の外部空間を伝わるという説明が1ページぐらいあった。そこのページは流し読みで飛ばしたのだな、たぶん。
というわけで まったく考えたこともない 事をたまには考えようぜと反省した次第である。本はなぞるのは初学の者であり、一定の学習を終えたら考えることもすべきなのである。大学の単位取得等は関係なく。知的好奇心は自ら考える事でさらに刺激されるのである。どーや。知らんけど。
もう一つワタクシはまったく考えなかった事に気づいた次第である。1905年にアインシュタインは光電効果を説明するために光量子仮説を提案した。光がプランク発見の E = hνというエネルギーの塊として、つまり粒子のように振る舞う。陰極に光を当てると光量子が電子を蹴飛ばして金属から追い出す。そこで金属によって決まる仕事関数なども登場するのだが、ワタクシは飛び出す電子は金属内の「自由電子」であると信じていた。根拠なくそう思った。
ところが最近、光電効果で飛び出す電子は内殻電子、K殻の電子であるという説明を見つけたのである。
日本評論社シリーズ 現代の天文学「宇宙の観測Ⅲ」港区立図書館・リサイクル資料であるがメルカリにあったので買った。図書館は新刊が出ると旧いのは棄却する場合がある。その時は入り口に「自由に持って行ってもいいで」と書いてある。そういうの拾ったヤツがメルカリに出したのだな。そしてワタクシが買った。400円で(´・ω・`)
で、光電効果と一口に言っても光の振動数(波長)は広範囲だ。可視光からガンマ線まで考えるのだ。この本ではX線、ガンマ線による光電効果は多くの場合K殻電子が放出されると書いてある。
うむむむ。ワタクシは可視光での光電効果のみ考えた。
ならば可視光での光電効果では自由電子が叩き出されるのか? エネルギーが高いX線、ガンマ線になるとK殻電子が叩き出されるのか? うーーむ。
ここらの電磁波の周波数による違いなど妄想したこともなかったですわ。
ただ、アインシュタインの光量子仮説はなかなか認められなかった。光電効果の精密な実験を1918年にミリカンが行いアインシュタインの仮説支持を実験結果は示したにもかかわらず。また、ボーアは水素原子のモデルで光量子を利用しているのだが自身は光量子を疑っていたらしい。
だが1922年にコンプトン散乱が発見されて様相は一変。光量子は認められ光子に昇格。光の二重性が認められ、それからド・ブロイの物質波へとつながる。さらにシュレディンガーの波動力学が26年には登場し物理学者にとって目が回るほど忙しい20年代になったのである。
どーや。「量子力学と私」朝永振一郎 からの受け売りが混ざっとるのである(笑)
ド・ブロイ波についてもワタクシがまったく考えなかった事がある。電子のド・ブロイ波をボーアの水素原子モデルに適用するとボーアが仮定した角運動量の離散化がすんなりと出てくる。つまり電子の回転軌道の円周はド・ブロイ波の整数倍でなくてはならない。
あらら、これは実にうまいこと行ってるなあ。素晴らしい!! と思ったものだが後にシュレディンガー方程式を水素原子に適用して解くと意外な結果で出てしまうのであった。
シュレディンガーの理論では水素原子は基底状態でいかなる回転運動もしていない・・・・・・・(´・ω・`) ならば円周がド・ブロイ波の整数倍であるという話はどうなるのだ?
そこだな。量子力学の教科書はド・ブロイ波の整数倍が円周という話は出てくる。その後にシュレディンガー方程式が出てくると水素原子の基底状態では電子はいかなる回転運動もしていない、と言う。ならばド・ブロイ波の整数倍が円周という話はどうなるってゆーーーのよーー!!
ここでド・ブロイ波を水素原子に適用するのは過渡的な理論だったのか? と考える。ま~これはね、水素原子はボーアモデルのような単純なものではなかったという事が後でわかったのだとしよう。
1s,2s等の電子は回転運動していないが 2p等の電子は回転運動しているから円周はド・ブロイ波の整数倍の関係になっているんじゃね? と思うけど確認してはいない。
エネルギーは電線のどこを伝わるか?
光電効果で飛び出す電子はどこの電子か?
円周がド・ブロイ波の整数倍と言いながらいかなる回転運動もしていなとはふざけやがって!!
などと考えだすと面白いのである。教科書に書いてない事を考えようぜ。どーや。
知らんけど(´・ω・`)
posted by toinohni at 07:46| 東京 ☀|
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