クォーク2 南部陽一郎 KBB 1998頃
素粒子の統一理論に向かって 西島和彦 岩波 1998頃
現代の物質観とアインシュタインの夢 益川敏英 岩波 1998頃
はたして神は左利きか 山田克也 KBB 2000年代
神が創った究極の素粒子 レオン・レーダーマン
これらを読んで素粒子の種類は知った。意外と多い。素粒子の種類は少なく、その組み合わせは豊富である・・・という方向だったはずが素粒子の数は意外と多い。
クォーク3世代18 種類 反クォークも考慮して倍の 36種類
レプトン3世代 6種類 反レプトンも考慮して倍の 12種類
チカラを媒介するグルーオン 8 ゲージボソン 4 で 12種類(ここは反粒子込み)
36 + 12 + 12 = 60 !! それにヒッグス粒子が加わる。
なんでこんなに多いのか、それは50-60年代に発見された数百のハドロンをより下の階層のクォークでもって説明しようとして増えたのである。60ぐらいの素粒子で数百のハドロンを説明できる・・・なんか効率悪いなあという感じある。そして陽子中性子を除けば安定して存在するハドロンは皆無だ。一瞬生まれて直ぐに崩壊する。自然界に存在すると言えるのか。
だが、そうなっている。標準理論ではそうなのである。実は素粒子を区別できるという意味ではスピンの右回りと左回りは区別され、別の粒子であるかのような捉え方だってできよう。そうなると数がますます増える。ワケワカランのである。
ニュートリノは左巻きであり、反ニュートリノは右巻きであるとか、これこれは左巻きとだけ作用するとか、つまりは区別可能なのであるようだ。ワケワカラン。
強い相互作用、電磁気力ではパリティは保存されるが弱い相互作用ではパリティは保存されないと言う。その電磁気力でパリティが保存されるという説明が山田の本に図解されているのだが、そこでは鏡の中の象とまったく同じように現実に作っても結果は同じだ・・・だから鏡映対称性が成り立つ、パリティが保存されるとか書いてあるが、ワケワカラン。
その図では確かに電磁誘導の法則が実像でも鏡像でも成り立つ・・・・ように見える。だが、よく考えてみると鏡像の場合、コイルの磁場がおかしいのだ。
実像では電流に対して右回りの磁場ができる。鏡像では電流に対して左回りに磁場ができるように見える。これは現実の世界では置きない。つまり電磁気の物理法則が成りたたない。だから対称性は破れている。とワタクシは考える。何をもって対称であるか・・・ワケワカラン。鏡像では物理法則が成り立っていないのだぞ。
これは南部の本でも図解がある。粒子が進行方向に対して右回りのスピンを持つときに、鏡に写せば進行方向に対して左回りになる。そういう図を南部は出して、だから自然は必ずしも対称性を守らないのであると書いている。
山田の図解はコイルとコイルで電磁誘導が生じて二次側の回路の電球が点灯するという現象は同じだが、コイルの磁場は現実は電流に対して右回り、鏡像では電流に対して左回りになる。南部の本と同じ見方だ。だから、電磁誘導の法則は鏡像でも成り立っているように見えて、磁場の方向はあり得ない方向なのだ。これをもって電磁気力は鏡映変換に対して不変であるというのは正しくないと思う次第である。ようするに、何をもって山田は対称であると主張しているのか。そりゃ電球が点灯するという現象だけに着目しているからだろな。
というわけで、電磁気力が対称って言うのも着目する内容によって変わるじゃないか。
てなあたりがワタクシはワケワカラン。
量子色力学という理論がある。R G B という色荷がある。SU(3)という群論によってゲージ成分は 3×3 – 1 = 8 個ある。つまり、グルーオンは8個である。てなあたりになると、こりゃますますワケワカラン。RGBと反R,反G、反Bの2つの組合せから R反R, G反G、B反Bは白色なので除外すると6種類が残る。どうして8種類になるのか。
この8種類はバリオンの8種類、メソンの8種類でも出てきたなあ。八道説とか。これはSU(3)という呪文の意味がわからないからどうしようもない。群論を勉強しろってかよ。
さらにワケワカランのがある。クォークは3世代6種類・・・こういう時は色には言及しない、というのだが、これは小林・益川がCP対称性の破れを説明するためには3世代6種類必要だという理論を作ったので6種類だ。そこでクォークの世代混合というアイデアが出てくる。そのアイデア自体はキャビボとかいう人が先駆けであるらしい。混合行列なんてものが登場する。
とりあえず、6種類があればCP対称性の破れを説明できる・・・という理由があって6種あるのだなあ・・・ともっともな話だ・・・という気はする。
ならば、レプトンが3世代6種類ある理由はなんだ? e, μ, τ とそれぞれのニュートリノで6種類ある。これも観測された何かを説明するためにはレプトンは6種必要である、という理論があるのか?
もっとワケワカラン話もある。素粒子論はSU(3)×SU(2)×U(1)のゲージ理論で記述されると言う。この 呪文みたいなのは、ゲージ場の話なのだが、ゲージ場の量子が素粒子であるという捉え方なのだが、ゲージ場の量子は質量ゼロでなければならない。現実にはクォーク、レプトン、Weakボソンに質量がある。だったら、ゲージ場の量子ではないじゃん・・・と単純に思うのだが、ここに壮大な カラクリ があるのだった。
宇宙の初めは高エネルギー状態でゲージ対称性が成り立っていてクォークもレプトンもWボソンも質量を持たず光速で飛び交っていた。
その後にゲージ対称性が破れてWボソンらが質量を持つに至った、そこの仕組みを説明するのにヒッグス機構があって、ヒッグス粒子が必要になった。素粒子の標準理論はヒッグス粒子を想定している。2012年にCERNでヒヒッグス粒子が発見された・・・・よっしゃーーー。
いいぞ、ヒッグス粒子が発見された、よっしゃーー。ならばクォーク、レプトンの質量も導き出せるぞ!! と思ったらそうではない。
ヒッグス粒子がどのようにしてクォーク、レプトン、Wボソンに 観測される質量を与えるのかを理論的に導くわけではないようだ。
いや、だったらヒッグス粒子が発見されたってのは、まだまだ定性的な領域なのかよと思う。
南部の本では、クォークやレプトンの質量については規則性がわからない、と書いてあった。
入門書ではこれこれは結果としてこうなります、って感じだ。どうしてそうなるのか考えると、そもそもそういうものを考えるだけの知識がない。結局は、素粒子の表を見てこういうのがあるんだな・・・で終わる。
色荷がR G Bと3種ある時に、どうしてグルーオンが8種類なのかについてはレオン・レーダーマンが次のように書いている。
そういう問題は理論屋に聞くといい。彼らは直ぐに3×3-1 = 8 だからだと答えてくれる。
実験室の配管工であるレオン・レーダーマンは理論には詳しくないからサー(あくまでもジョーク)です。
というように入門書を読んでワケワカラン話がだいぶ絞れてきた。土壌として群論とゲージ場の理論がある、と感づいた。いや、本にそう書いてある。
素粒子論は相対論的量子論を基礎としたゲージ場の理論で記述される。指導原理は次の3つである。
1 ローレンツ不変性
2 ゲージ不変性
3 繰り込み可能である事
弱い相互作用が繰り込み可能であることはトフーフトによって1972年に証明されたと書いてあるが、どのようにして証明したのかは書いてない。どうも紙と鉛筆でどうにかなる話ではなさそうだった。
てなわけで、自分がワケワカメなところが絞れてきたので今後は少しずつそういうところを調べて行きたいと思う次第である。Google検索10段(自称)の実力発揮だ(笑)