クォーク2 南部・講談社2000年頃
素粒子論はなぜわかりにくいのか 吉田伸夫・新潮社 2010年代
クォークの不思議 外人 ドイツ系出版社
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今日は真面目に書く(今までは不真面目だったのかーーというツッコミは無しね)
原子は原子核と、その周囲の電子から成る。原子核は陽子と中性子から成る。ここらまでは高校物理・化学のレベルだ。そして、陽子や中性子はクォーク3個から成る。。。。大学の教養課程レベルだ・・・としよう。もっとも高校の頃にワタクシはそういうの知っていたが。
クォークは素粒子である。そして素粒子の分類はその手の入門書に表がでていて、クォーク、レプトン、チカラを媒介する素粒子と出てくる。
とは言え、それらはいったいなんだ? という疑問を読者が持つと回答は困難である。
知りたかったら勉強して大学の理学部に入り、さらに理学系の大学院に進んで5年ぐらい勉強すれば理解は相当に深まると思うよ。
これでは素粒子について理解できる人は選択されてしまう。ワタクシのようなボンクラ頭では理解することは出来ぬ・・・という失望感がある。
そこで私は上の本を読んで、その本のレベルでもって考える。自分が疑問を持つ、その疑問に対する回答を自分で探す、そこにこそ暇つぶしの醍醐味があるのだ、キリッ) どーよ。
上で上げた本の著者らと私の希望との違いがある。著者らが示したい内容と私が知りたい内容が違う。そこだな。
そもそもクォークというアイデアがひねり出されたのは50年代に大量に新粒子が発見されたからである。ここらを吉田の本はあまり書かない。吉田は素粒子のイメージが湧かないのが、分かりまさの原因の一つだとして丸い球にバネをつないで、それがつながる描像を提案している。
だが、それでわかりやすく成るかというと、そうではない。かえって分かりづらい、というのが私の感想である。
南部の本は50年代に大量に新粒子の発見があったとは書くが、そこらの説明が結果だけを少し出しているだけで私の疑問の回答にはならない。
どのようにして実験して新粒子だと判断するのか?
1931年にアンダーソンが大気上層での観測で陽電子を発見した。磁場を書けた霧箱だか泡箱だかの奇跡を見るとグルリンコがある。それは電子でもグルリンコである。ただ、その向きが違うとアンダーソンは感づいた。
このように霧箱、泡箱等の飛跡の観測で新粒子を発見した・・・というのは私としてはわかりやすい。
だが、1950年代に雨後の筍のように発見された新粒子はどのような観測技術によるものなのか、まったく知らぬ。霧箱、泡箱、CCDによる写真・・・・いろいろあるだろう。
「クォークの不思議」では検出技術に関しても詳細がある。一読する価値はある。
で、結局、私の疑問は次のように凝縮できるであろう。
単体で観測されたことはないクォークに、フレーバー、電荷、質量、スピン、カラー荷といった属性を与えている。ほんまにあるのかないのかわからないクォークに属性を与えすぎである。この理論は私としては何か違和感がある。まーボンクラ頭に通じる理論ではない。
ちなみにクォークというアイデアがひねり出されたのは数百にも及ぶバリオン・メソンの発見があったからである。ここらを吉田の本はあまり書かない。
数百ものバリオン・メソンをクォークという少ない素粒子でもって説明しようとした。ツヴァイク、ゲルマンが独立に1960年代前半に提案したのだった。
クォークはこれらを説明するための単なる記号である・・・と初期は考えられたらしい。だが、陽子や中性子が内部構造を持つことは実験でわかっている。どうやら、クオークは実在するようだと考えるのが妥当らしい。
それでも私は違和感を持つ。数百のバリオン・メソンを説明するために素粒子が数十も必要になったのだ。
700のバリオン・メソンを説明するために素粒子が70ぐらいは必要になった・・と言えば、なんとなくだが、素粒子論ってなんか変じゃね?と思うべきである。
クォークを持ち出さなくてもバリオン・メソンの説明がつけば良い。そして、そういう理論はない。結局はクォークのような下の階層を考えることになる。
素粒子の標準模型と昔は言われた。今は素粒子の標準理論に昇格している。
2000年頃に「エレガントな宇宙」という本が出た。ブライアン・グリーンだっけな、ウロ覚えだが。著者は一般相対論と量子論の融合が難しいのはどうしてかを丁寧に説明した後に、超紐理論を紹介して、超ひも理論は今後10年で画期的な進展を見せると楽観的な姿勢を見せた。
それから20年が過ぎた。画期的な進展は・・・・なかった。超紐理論は低迷している。どんづまりである。実験で検証しようがない理論は単なる数学の世界である。と思うが、詳しくは知らん。
2000年以降の物理学では膨張宇宙の膨張が加速している、というのが2000年代の前半。2010年半ばでは重力波の検出に成功した。
他にどのような物理学での傑出した成果があったのか知らぬ。
私は情報源としてはサイエンスライターの書物に期待している。最近のサイエンスライターは物理の博士号所持者であり、彼らの知識は相当なものであろうが、研究者として食っていくだけのレベルになかったのだろうと思う。だからサイエンスライターであり他者の理論や成果の紹介記事を書く。そして、それは有り難い。現役の研究者が一般向けに書く時間的な余裕はなかろう。そこにサイエンスライターの活躍のチャンスがある、って事だ。な、かおるくん。
機械学習を勉強しても何の役に立ちません・・・という人がいる。そりゃそうだ。素粒子論を勉強しても何の役にも立ちませんってのも言える。
そして、こういっては何だが、初めから何かの役に立つという先入観で勉強する連中は三流だ(笑)
人が何かやっていると、そんなのやっても意味がない、何の訳にも立たないと言う連中は多々いる。私はそういう連中はバカだと思っているので相手にしないのである、キリッ)
自分では何もしないが人が何かやっていると文句だけは言う、・・・・まるで政治の世界みたいだね(笑) 野党って文句いうだけで食えるからなあ、いい商売だね。終わり
posted by toinohni at 16:09| 東京 ☁|
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