独習! 信号処理 鈴木・秀和システム で気になった事。著者はDFTの計算が現在のコンピューター等では高速なのでFFTではなくDFTを使う場合も多いと書いているが、信じられん話だ。
データ数が少ない場合にはDFTとFFTの処理時間の違いはさほど出ない。だが、データ数が数千、数万になれば差は明確だ。そういう説明をしている著者がDFTで良い場合も多いという。
ここはいまいち。データ数が32とか64とかであれば差は少ないとは言っても確立されたFFTというアルゴリズムがあるのだ。ライブラリ使えばいいじゃんって気がする。FFTのライブラリ使えばいいじゃん・・・。なんでそこにわざわざDFT処理をする? ここらは何いってんだか分からん。
で、FFTは高速フーリエ変換と訳されていて使う側は内容を知っているからいいのだが字句通りの意味ではない。高速なフーリエ変換なんだな・・・うむうむと捉えると間違いだ。
これは素粒子を素なる粒子と捉えると間違いだというのと同様に。
FFTはフーリエ変換を高速に行うのではない。DFTという、離散フーリエ変換を高速化するものなのだ。単にフーリエ変換と言うと連続量の世界なのである。
で、言いたいことはそこではない。FFTが何に使えるのか。
「高速フーリエ変換」E.ORAN BRIGHAM 宮川洋・今井秀樹 訳 の1980年頃の本がある。科学技術出版社から出ていた。
この本はフーリエ変換、DFT, FFT等の解説である。応用事例はないに等しい。訳者らは信号処理や符号理論で私が私淑する大先生である。1980年代の・・・・ てへてへ
で、コンシューマー機器では。FFTの例としてオーディオの横軸周波数のグラフがリアルタイムで動くやつ。名称忘れたけど。
PCのソフトとしては、WaveSpectraという秀作がある。PCのSound Boardを利用するものだが当然、音声帯域に制限される。
これを使ってラジオやRadikoやらの音声信号を見ると周波数の上限がわかってたのしー。昔の電話の帯域は300-3100Hzぐらいだったか。帯域制限する事で周波数多重時のメリットがあるのだが、音声はなんだか変だジョーって感じたろ。高域が減衰しているからだが。
AM, FMの受信時の音楽等での帯域を見ると違いがわかる。FMは広い。
で、Radikoはどうだ。今はAM局の放送内容がFMの周波数で聞こえる。帯域はどうだ?
そういえばAM放送は数年後に消えるらしいが・・・・・
で、FFTの応用だが。これの逆FFT(IFFT)という機能もある。信号の時間領域を周波数領域に変換するのがFFTだ。逆に周波数領域を時間領域に変換するのが逆FFTだ。
そして、実は現在の地デジ・スマホ等の通信が絡む電子機器は符号理論とディジタル信号処理のカタマリである、と言える。その場合に活躍するのがFFTなのであるが、ここで必ずしも時間領域と周波数領域を行き来するためにFFT,IFFTを利用するわけではない。
符号理論の中の処理のアルゴリズムにIFFTが使えるのである! これは強力だ。なんたって計算時間を劇的に減らす事ができるのである。
まあようするに、高速フーリエ変換 = FFTという図式でも問題はない。分かっている人は分かっている。そして、応用面の紹介記事が少ない。高速フーリエ変換の教科書は応用面まで詳細に書かない。書くとベージ数が1000ページを軽く超えるだろう。だったら、別の本として出せば売れるではないか? と思うのだが出さない。
誰でも書くようなFFTの解説本はたくさんあるが、応用面を重視した本は激減。
どうでもいいような情報は膨大だ。インターネットゴミの山だ・・・とも言える。だが、そのゴミの山から宝物を見つけるのは個人の資質、能力に依存する。
何事も脊髄反射で文句いうだけの連中は宝物を見出す事はできまい。そして、自分が出来ないことで、日本は終わっている、と言い出す。無能とアホとバカの発想である。
そういう無能・アホ・バカが大衆であって、大衆はバカだからこそ、我々の経済社会は成り立つのである。これは世界共通。
つまり、FFTはFool Friend Total の略であって、バカな友達ばかりって意味だよん。てきとー
以上、妄想を終わりますm(_ _)m
posted by toinohni at 17:25| 東京 ☀|
Comment(0)
|
エレクトロニクス雑学
|

|